調律

調律その1     調律その2
   


**手孔位置と周波数の測定、および調律** 


このページは未完成です
少しずつ仕上げていきます


作業工程も管内の型取り(地付け)が出来たら、最終段階の調律に入ります

尺八作りに於いて、調律とは音律や音階を正しく調整する事、もちろん、この事は当りまえのように大事なことですが、
それ以上に「よく鳴る」、「音が大きい」、「響きがよい」と言った音の豊かさを求める意味合いの方がもっと重要です、
尺八を作るにあたり、この音の豊かさをどのようにしたら作り出すことが出来るのか、
ここから先は、少し不明瞭な解説になりますが、一緒に考察していただきたいと思います。



調律


地付がうまくできましたら、いよいよ調律作業です、
仮に完成品を
100%とすると地付が終わった段階の尺八は40%位の仕上がりと思ってください、
したがって今の段階ではまだまだ期待する音は出ていないと思います、でもがっかりしないでください、
この後の調律の作業工程をしっかり、実行していけば、必ず100%の完成尺八ができます

工程-1


管内の仕上げ作業
上手に仕上げたつもりでも、管内の壁面に凹んだ所、あるいは石膏地が欠落した所はありませんか、
石膏を少量水で練ってその部分を補修してください

工程-2


管尻部の修正

尺八の管尻側は本来ラッパ状に開放された形状にならなくてはいけません、

型尺棒で整形した管尻の形は、出口付近(5cm)がストレートの形状に仕上がっていますので、
そこの部分を、ラッパ状に削り取って形を整えます

工程-3


歌口を内と外から鋭く鋭角に仕上げます

地付けの時、歌口に思はぬ力がかかって破損しない様に、まだ歌口は完全に削っていませんでしたよね
また歌口の顎あての角度と舌面の角度は重要な製作ポイントです

工程-4


管内の地固め

尺八の手孔を開ける前に、管内の壁面が崩れない様に保護する意味と、
この後管の壁面に塗る塗装がはがれにくくするために、地固めをします

工程-5


手孔開け

音律を左右する大事なポイントです

工程-6


管内塗装

この場合の塗装は管内をきれいに仕上げると言う意味ではありません、
管の壁面に塗膜を掛けると、音の伝わりかたが大きく向上します、次の調律工程とあわせて、
数回塗装を掛けます

工程-7


調律
調律棒を使用して、精密な内径に整えます
工程-6と工程-7は調律の確信部です

工程-8


仕上げ塗装

最終塗装です

 

工程-1



工程-2


管尻の穴はまだ、型取りしたままの、小さな穴が空いている状態です、調律棒に、から研ぎペーパーヤスリをセットして、余分な地を削り落とし、ラッパ状に形を、整えます

工程-3


さて歌口はまだ完全には仕上げていませんでしたネ、では最後の仕上げにとりかかりましよう、まず舌面をさらに深く削り込み、先端部分をより鋭敏に整えます、先端部を丸棒に貼り付けペーパーヤスリで削り込み、管頭から2〜3mmの間隙に円弧を描きます、もう一度、舌面を深く削り込み、先端部分をより鋭く形を整えます、最後に舌面全体に瞬間接着剤を塗布し、乾いたところで、800#のペーパーヤスリをかけます、仕上げはポリマー等の、超細かい磨き材を使い、ピカピカに磨いて完成です
.


工程-4



削った後は、また瞬間接着剤を塗って、表面をコーテングしてください
.



工程-5









歌口の舌面を水平に決めて、歌口の中心延長上に、垂直な手孔穴を開けます、(わずかな線のズレ、角度のゆがみは、完成後、とても気になります、)穴開け工具は失敗しないためにも、ハンドドリルよりボール盤が理想です


工程-6





ココまでは、まだ調律の準備段階ですが、尺八を吹いて見ると、もうかなりの音が出来ていると思います、満足しないこともありますが、がっかりしないでください、次の段階で、もっともっと音が出るようになりますヨ



まず歌口の手直しです、歌口を上から見ると、開口部は真円になっていますネ、角の挿入した左右の袖を内側から削って息受けの部分が平らになるように、修正します、調律棒に800#の水研ぎペーパーやすりをセットします、水道水をかけながらでも、かまいませんヨ、歌口の左右の袖だけが、削られる調律棒(適当な太さ)を使用してください


次に管の内部に光を当てて、良く観察して下さい、きれいな真円が中心軸に沿って、奥まで続いていますか、問題がある場所は、光が屈曲して影が出来ています、上管用、下管用、の調律棒を使い分けて、その部分を水研ぎして下さい、時々尺八の音を出して、音の変化を、確認します、(削り過ぎに注意、)


さらに、今度は調律棒を、長めに換えて、全体に水研ぎします、これも時々音を確認しながら、管内の成形を整えると言ったイメージで、作業を進めます、


この先の工程は、研究室のページにゆだねる、所ですが、もう少し、調律の確信部にせまって解説致します。


まず管内に、瀬〆漆を塗る作業を説明します、細い棒の先にガーゼを、両面テープで止め、受け皿に取り出した瀬〆漆を、、ガーゼに浸します


管内に塗る、瀬〆漆はごく少量です、薄く広く塗り拡げてください(見た目塗りむらがあるぐらいで十分です)厚塗りは厳禁です、(厚く塗るとしわになります)、漆は2、3回重ね塗りするのが、常識と心得てください。


漆を初めて使う方は、素肌を不用意に露出してはいけません、漆かぶれは個人差があり、初めからあまり、かぶれない方や、とても敏感に反応して、ひどいかぶれを引き起こす方がいます、漆かぶれは、何回か被害にあっているうちに、免疫?みたいな物が体に備わって、かぶれにくくなると言われています。むやみにかぶれを恐れる事はありませんが、それなりの、防御対策は忘れないようにしましょう、(最近は漆に似た塗料がありますので、かぶれが気になる方は使って見てください) 


漆に付いて少し補足します、漆が乾く過程は、一般の塗料と違って、乾く条件は温度と湿度にあります、漆の主成分はウルシオールという樹脂分(水分、ゴム質、酵素(ラッカーゼ)、含窒素物)で構成されており、その硬化していく過程は温度と湿度によって酵素(ラッカーゼ)が活性化し、空気中の水分の中から酸素を取り込み、その酸化反応によってウルシオールが液体から固体へと変化していきます、「漆が乾く」とはこの乾固の状態を指します、


硬化した漆を調律棒で研ぎ出します、水研ぎヤスリは1000#以上を使用、内部を研ぐときは必ず上下管を繋いだ状態で作業するのが原則です、上下別々に削ると、管内のバランスが崩れて音が悪くなります。


仕上げは黒塗立漆または呂色漆で仕上げ、ポリマー系布タイプやソフトタイプのヤスリ1500#〜2000#で、ピカピカに磨きます、上手に出来れば内面は鏡面に水をうった様な、しっとりとした仕上がりになります。

音づくりが出来たら、調律器で各音程を計って見ましょう、音の周波数は、測定場所の温度(室温)によって変化します、極端に寒い時期や暑い環境では、正確な数字がつかめません、室温25位の平温で測定してください、

調律は、ロ(乙)、ツ、レ、チ、リ、ロ(甲)と下から順に測定します、まず始めに筒音(ロ音)を計ります、音が低い場合は管尻部を、少しずつ削って、規定周波数に合わせます、逆に音が高い場合は管尻に竹片を足して上げ底しなければなりません、そんな事にならない様に、初めから少し管尻側を長めに切っておいたのはこのためです、一般に人間が耳で感じ取れる周波数の誤差は10セントと言われています、1尺6寸管〜1尺8寸管の周波数を参照に調律してください。


調律器は「黒田たつあき」さんのHPでダウンロードするのが一番です
ここのフリーソフトは尺八の調律に便利ないろんな装置が搭載されています、
音の周波数は気温の上下で微妙に変化します基本周波数を任意に設定したり
尺八の各音を運指図で示して初心者でも解りやすい調律ができます






筒音 第1孔 第2孔 第3孔 第4孔 第5孔
乙音 甲音 乙音 甲音 乙音 甲音 乙音 甲音 乙音 甲音 乙音 甲音
ハ五
1尺6寸 329.6 659.3 392 784 440 880 493.9 987.8 587.3 1174.7 659.3 1318.5
1尺7寸 311.1 622.3 370 740 415.3 830.6 466.2 932.3 554.4 1108.7 622.3 1244.5
1尺8寸 293.7 587.3 349.2 698.5 392 784 440 880 523.3 1046.5 587.3 1174.7



次に手孔穴の調率です、採寸通りの寸法で、手孔穴を開けていれば、大きな失敗は無いと思いますが、原則的に開けた位置で音程は決まってしまいます、竹の太さで、手孔の穴の深さが違ってきますので、歌口から手孔穴の出口(表面)までの距離は竹の太さで違いが生じます、その微調整は、下の表を参照してください、

音程 穴の位置 穴の大きさ 手孔出口(表面)
音が高い 管尻側に寄せる 手孔穴を小さくする −−−−−−−
音が低い 歌口側に寄せる 手孔穴を大きくする 出口の表面を削る

型尺棒で成形した、尺八の内部は何本作っても、同じ内径構造になります、音程が変わるとすれば、竹の太さが原因になります、手孔穴を開ける際、この竹の太さを考慮して、予め開ける位置をずらしておきましょう、(自分で作った竹のデーターはしっかりメモって次の尺八製作に反映してください)